2014年12月31日水曜日

つくること、手間をかけること

友達に教えてもらって、早川ユミさんの本を読んでいます。『種まきびとのものつくり』、とってもとってもいい本です。早川ユミさんは、高知の山のてっぺんに住む布作家さん。畑をやり、植物を育て、布でちくちく色々作って、時々旅をして、そしてそれを本に書いてらっしゃいます。

『種まきびとのものつくり』


「人間らしい暮らしって、どんな生活でしょう。太陽や月や、土や水、自然のいちぶであるひともぐるぐる巡る循環のなかにいきています。つくるとうれしいし、育てて実ると、生きている実感にあふれて暮らしがゆたかになります。ちいさな畑にたねをまきましょう。ちいさなものを買わないで、ちょっとつくってみましょう。わたしらしい暮らしを紡いでみましょう。わたしたちの手やからだやこころの声にみみをかたむけてみましょう。」

「ものをつくることは、からだやこころを開放するためですから、こうしなくっちゃとがんじがらめに思わないで、やさしい気もちでちいさいところから、ちいさくはじめましょう。生きるちからやつくる手は、ひとりひとりみんなのからだのなかにはじめから、そなわっているのだから。」

ううー、とってもぐっときます。わたの子がしたいのは、こういうことなのかもしれません。ぐるぐる巡るいのちの循環のなかの一部として、自分にもまわりの人や動物、植物や地球にもやさしい暮らしを探していくこと。からだやこころを開放すること。手でつくること。手で触れること。手やからだやこころの声をきいていくこと。

ごきげんな暮らし(Lovelihood)は、こういう暮らし。都会の近くに住んで、スーパーで買い物をして、携帯電話もパソコンも使わせてもらっているけれど(そしてそれはありがたいこと)、できることから、少しずつ、少しずつ、「消費する暮らし」から「つくる暮らし」に近づいていけるといいなあ。緑と仲良くして、鍼灸して、少しずつ、手作りしていけるといいなあ。

つくること、手間をかけること、大事に作られたものは特別だし、人間だって大事にされたら、嬉しくってうふふとなるもの。

そうそう、鍼灸の一番大事な点も、「手で触れること」だと思うのです。手は色んなことを感じます。「ああ、頑張ってきたんだなあ」とか、「ちょっと休みたい、と言ってるなあ」とか。鍼やお灸は金属や植物を使った物理刺激ですが、どんな刺激もおんなじではなく、手で触れていくから、そのときどきのいのちと出会うものだから、特別なのです。

ベレーにフェルトと刺繍をちくちくして作った帽子
"No mud, no lotus"


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